古代の酒は、濁酒(どぶろく)であったと思われますが、中世の末期には、酒袋でこした清酒が作られ、江戸時代に一般に広まりました。
造り酒屋の軒に大きな杉玉が吊り下げられているのをよく見かけます。この杉玉は「志るしの杉玉(酒林・さかばやし)」といい、酒屋の看板とも言われます。酒造家は三輪山の神杉の葉を球状に束ねて作られた小型の杉玉を持ちかえり、酒造りのお守りとして酒蔵に祀り、新酒ができた印として軒先に吊るします。三輪明神は『枕草子』に"杉の御社"とあるように、杉は三輪を象徴するものです。この杉玉は、酒の神様として名高い奈良の大神(おおみわ)神社から授けられたものなのです。
出典・参考文献:(財)奈良県広域地場産業振興センター 奈良の地場産業
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