大和の食文化

もともとは吉野地方に住む人々の保存食として伝えられたものですが、絶品の寿司として新しく創製されたといってもよいのが、この柿の葉寿司です。
起源は、江戸時代の中ごろ、和歌山県など近海で捕れた新鮮な鯖を塩漬にし、2〜3日かけて山深い吉野の村々へ売りに来たことがきっかけと伝えられています。しめた鯖と寿司米を一緒に柿の葉に包んだのが柿の葉寿司です。柿の葉は、香りに癖がなく、包みやすい大きさ、強さも備えていたためと柿の葉を使うようになったといわれています。

ですがなによりも、渋柿の葉には防腐効果があったことが、大きな理由としてあげられます。現代の化学分析によれば、高血圧を抑えるタンニンが多く含まれ、それが食品の保存に有効であるばかりか、蛋白質を凝固する性質があるためサバの身をしめる効果があることや、ビタミン類などの栄養素が豊富に含まれることも認められています。

柿の葉で包むことによって鯖の臭みが中和され、塩鯖のうま味とすしご飯の甘みに柿の葉のかおりがほどよく広がり、上品な何ともいえない風味がひろがります。海のない大和では貴重な魚で、吉野地方の祭りや慶事の日のご馳走として各家庭でつくられてきましたが、いまでは奈良県を代表する味覚の一つになっています。

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