平安時代になって日本土着の桜の花を好むようになり、桜見が花見になっていきました。一方、農民のあいだでは桜のもとで飲み食いをして一日を過ごす「春山入り」などと呼ぶ行事がありました。それまで冬を支配していた神を山に送り帰し、田の神を里に招く行事です。
人々の楽しみとして、現在にまでつながる花見には、三つの要素があります。まず第一は桜の花、それも群れて咲く「群桜」。第二にたくさんの人出、すなわち「群衆」。そして第三が「飲食」です。これらがないと花見らしい花見は生まれません。花見は今日の一般的な宴会のもとであり、新年会・忘年会などの日本人の会合・宴会のやり方にも影響を与えました。
出典:知らなきゃ恥ずかしい日本文化
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