古事記日本書記万葉集お伽草子民話今昔物語
平安時代後期の、貴族から武士へと時代がうつりかわろうとする社会的に不安定な時期に生まれた、全31巻、約1000話を集めた現存最大の説話集です。インド・中国・日本の三国の説話が収録されていて、皇族、貴族、僧侶、農民、鉱夫など、あらゆる階層の人物はもちろん、山賊、海賊などの盗賊から亀、狐、猿などの動物、死霊、生霊、鬼などの妖怪に至るまであらゆるものが登場します。当時の社会階層の生活が生き生きと描かれ、不安な時代のありさまが見受けられる作品も多くあります。

また、芥川龍之介の「羅生門」など、近代の小説家も多くこの「今昔物語集」を典拠とした小説を書いています。鈴鹿本(原文)は漢字仮名交じり文で書かれていて、各説話が「今ハ昔・・・」に始まり、「・・・トナム語リ伝ヘタルトヤ」(=と語り伝えたとのことである)と終わるように統一されています。
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