法隆寺地域には、7世紀から法隆寺・法起寺(ほうきじ)など多くの仏教寺院が造営されました。法隆寺周辺には、飛鳥時代から江戸時代までの木造建造物が数多く残されており、特に、法隆寺の金堂や五重塔、さらには法起寺の三重塔などの8世紀以前の仏教建造物は、世界最古の木造建造物群でもあり、その歴史的な価値とともに木造建造物としての芸術性にも優れていることが高く評価されています。
日本最古の木造建築として「世界遺産」に登録された法隆寺は、所在地にちなんで斑鳩寺とも呼ばれています。7世紀初期に、推古天皇が先帝の用明天皇の遺志を果たすため、薬師如来座像を造り、聖徳太子とともに創建を始めたと言われています。
現在の伽藍は西院伽藍と、夢殿を中心とした東院伽藍と、子院群からなります。東院は、もと聖徳太子の斑鳩宮の旧跡を寺とした上宮王院で、夢殿、絵殿、伝法堂などが立ち並んでいます。西院の主要建造物である金堂、五重塔、中門、回廊は、初期の仏教木造建築の様式によるものです。これら諸堂の建築年代は飛鳥時代から室町時代に及び、国宝指定の建造物も多く、彫刻、絵画、工芸品など各時代の様式がうかがえます。法隆寺はまた日本の仏教文化の宝庫で、寺に伝わる文化財のうち、国宝・重要文化財に指定されたものだけでも約190件、点数にして2300余点に及んでいます。
法隆寺HP http://www.horyuji.or.jp/
所在地:奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺山内1の1
拝観時間:午前8時〜午後5時(2/22〜11/3)
午前8時〜午後4時半(11/4〜2/21)
拝観料金:一般 1,000円/小学生500円
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法起寺(ほうきじ)は別名、岡本尼寺、岡本寺、池後寺、池後尼寺と呼ばれています。推古14年(606)に聖徳太子が法華経を講説されたという岡本宮を寺に改めたものと伝えられ、法隆寺、四天王寺、中宮寺などと共に、太子御建立七ヵ寺の一つにかぞえられています。中門を入って右に三重塔、左に金堂、中央正面奥に講堂があり、廻廊は中門左右から堂塔を囲み、講堂の左右に接続する様式の伽藍であったと推測されていますが、今は706年に完成した三重塔のみが残っております。
創建の由来については『聖徳太子伝私記』に記録する当寺の三重塔にあった露盤銘によって判明します。当時のことは、『正倉院文書』や『日本霊異記』にも見られ、奈良時代には相当栄えていたようですが、平安時代から法隆寺の指揮下に入り、寺運も徐々に哀微しました。鎌倉時代には講堂や三重塔が修復されています。しかし、室町時代に再び衰え、江戸時代のはじめごろには三重塔のみを残すのみであったといわれています。その荒廃を憂い、当寺の再興を発願した寺僧の真政圓忍とその弟子たちは、延宝6年(1678)に三重塔を修復しました。それ以降も、寺僧たちの努力によって浄財を集め、元禄7年(1694)に講堂を再建、文久3年(1863)に聖天堂を建立し、現在の寺観が整えられています。
法起寺HP http://www.horyuji.or.jp/hokiji.htm
所在地:奈良県生駒郡斑鳩町大字岡本1873番地
拝観時間:午前8時30分〜午後5時(2/22〜11/3)
午前8時30分〜午後4時30分(11/4〜2/21)
拝観料金:大人300円/団体(30名)250円
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